本記事で取り上げる書籍
本記事で取り上げる書籍は『プリンシプル オブ プログラミング 3年目までに身につけたい 一生役立つ101の原理原則』です。
- 書名:プリンシプル オブ プログラミング 3年目までに身につけたい 一生役立つ101の原理原則
- 著者:上田 勲
- 出版社:秀和システム
- 出版年:2016年3月
- ISBN:978-4798046143
技術は変わる、原則は残る
フレームワークが1年で陳腐化し、生成AIがコードを量産する時代。
そんな変化の激しい世界でも“色あせない武器”があります。それが**原理原則(プリンシプル)**です。
本書は「プログラミング3年目までに身につけたい原則101」を網羅し、
KISS、DRY、ブルックスの法則、SOLID、YAGNI など古典からモダンまでを スキルアップ のロードマップとして整理。
私自身、日常の設計レビューやコードリーディングで「どの原則に反しているか」を即座に言語化できるようになり、
バグ修正コストと開発時間の双方を大幅に削減できました。
101の原則から選ぶ“実務直結”5選
- KISS(Keep It Simple, Stupid) 機能追加を焦らず、まず最小構成で動かす。仕様凍結前の「実験版クラッシュ」を激減。
- ピカピカの戦艦症候群を避ける “完璧な設計”を求めるより、動くプロトタイプで顧客と対話せよ。
- ブルックスの法則を忘れない 遅れているプロジェクトに人員を足すと納期はさらに遅れる——SES現場で体感済み。
- 設計は変更に合わせて進化する(リーン設計) 要件変化を受け入れるチーム文化が、長期的なスピードを生む。
- “ログは仕様書”の原則 エラーではなくイベントと捉え、構造化ロギングで“自己診断するシステム”を構築。
原則を“習慣化”するチェックリスト
本書は単なる名言集ではありません。各章末に「現場で使うチェックリスト」が付属し、
朝会で共有 → プルリクで確認 → レトロスペクティブで振り返る
という習慣化パターンを提案しています。
私はここから発想を得て、チームのコードレビューに「プリンシプルタグ」を導入。
PR コメントに #KISS #YAGNI などを付けて指摘理由を明示したところ、議論が建設的になり スキルアップ の効率が格段にアップしました。
誰におすすめか
- 新人〜3年目で“原理原則”を武器にしたいプログラマ
- 設計レビューが感覚論で進みがちな中小・スタートアップのリーダー
- コード品質と開発速度を両立させたい現場SE・PM
- プログラミング教育で“考え方”を教えたい教員・保護者
- 就活・転職で「設計の引き出し」を増やしたい中高生・大学生
まとめ:原則を血肉化し、変化に強いエンジニアへ
ツールも言語も時代とともに変わりますが、良い設計・良いコードの原則は変わりません。
本書はそのエッセンスを 101 個の“行動指針”としてまとめ、今日から即実践できる形に落とし込んでくれます。
原則を意識して書いた1行は、きっと数年後の自分とチームを救うはずです。
“バグ修正に追われる開発”から“価値を生む設計”へ——その転換点として、本書をぜひ手に取ってください。