「お金のために働く人生」を終わらせる思考法

本記事で取り上げる書籍

『金持ち父さん貧乏父さん ――アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学』

ロバート・キヨサキ 著/白根美保子 訳/筑摩書房(ちくま文庫)

原著:2000年(改訂版:2023年)

ISBN:978-4-480-43841-3


導入:お金の勉強は「お金持ち」しか教えてくれない?

多くの日本人が「学校ではお金のことを学ばなかった」と感じているのではないでしょうか。

給与から引かれる税金の意味、資産と負債の違い、投資と浪費の境界線──。

これらの基本的な知識さえも、家庭や教育機関ではほとんど教えられません。

この記事では、そんな現代人の“お金の常識”に一石を投じる名著『金持ち父さん貧乏父さん』をご紹介します。

アメリカでベストセラーとなり、世界中の読者に衝撃を与えた本書は、

著者ロバート・キヨサキが二人の「父」から受けた教育を軸に、「お金とは何か?」を根底から問い直します。

この本は、副業や投資に関心のある20〜40代の社会人はもちろん、

これから進路を選ぶ中高生や、その保護者にとっても「人生設計の羅針盤」となる内容です。

お金の不安から自由になるための第一歩として、ぜひ読み進めてください。


要点まとめ:『金持ち父さん』が教える5つの本質

  1. 「働いても豊かになれない」理由は、金融リテラシーの欠如にある  学校教育では“稼ぎ方”を教えるが、“お金の働かせ方”は教えない。多くの人が経済的自由を得られないのは、知識の欠落が原因だとキヨサキは説きます。
  2. 資産と負債を正しく区別することが「金持ち」への第一歩  自宅をローンで購入したとしても、それが「資産」とは限りません。本書では「お金を生み出すもの=資産」「お金を吸い取るもの=負債」という明確な定義が提示されます。
  3. “お金のために働く”のではなく、“お金に働かせる”発想を持つ  貧乏父さんは「いい学校に行って、いい会社に入れ」と教える一方で、金持ち父さんは「ビジネスを所有し、資産を築け」と語ります。
  4. 雇われるだけの人生には「限界」がある  給与所得だけに依存する働き方では、インフレや税制変更に翻弄されやすくなります。本書では、自分のビジネスを持つことの重要性が繰り返し強調されます。
  5. 「恐怖」と「欲望」に支配されない、お金との健全な関係を築く  お金に対する無知が、感情的な選択(浪費や過剰な節約)を生みます。理性的な判断力=金融教育が、生涯の安定に不可欠です。

印象に残ったポイント:SEとして感じた「ラットレース」の怖さ

私は現在、システムエンジニアとしてSES案件に従事しています。

毎月の収入は安定しているものの、それに比例して出費や税金も増えていきます。

ボーナスで一時的に安心しても、また翌月には家賃・光熱費・生活費……。

これこそが本書で言う「ラットレース」の状態なのだと、読んでいてゾッとしました。

特に「資産と負債」の定義の違いは、目から鱗でした。

SEという職業柄、ITスキルへの投資や資格取得は当たり前と思っていましたが、

それ以上に「自分のお金に働かせる仕組み」が必要だと痛感しました。

副業やブログ運営、インデックス投資といった「資産」を一つひとつ積み重ねていくことが、

エンジニアとしての技術的成長だけでなく、人生設計にも直結している──

そんな気づきを与えてくれた一冊です。


誰におすすめか:この本が響くのは、こんな人たち

  • 会社員として働いていても、将来に漠然とした不安を感じている方
  • 副業や投資を始めたいが、何から手をつけていいかわからない方
  • お金の知識を親として子に伝えたいと思っている方
  • 将来の職業選択を考える中高生や大学生
  • キャリアに限界を感じ始めた30代・40代のビジネスパーソン

特に印象的なのは、「子どもに読ませたい本」としての側面です。

難解な経済理論ではなく、物語形式でわかりやすく語られているため、

中学生や高校生でも十分理解できる構成となっています。


まとめ:お金の“思い込み”から脱却せよ

本書の最大の価値は、「常識と思われているお金の考え方」に疑問を持たせてくれることにあります。

「給与=収入」「ローンを組んだ家=資産」といった固定観念を疑うことで、

新しい選択肢と自由な未来が開かれるのです。

本書は入門書でありながら、人生の分岐点に何度も立ち返りたくなる“保存版”でもあります。

読み終えた今、私自身も「お金のために働く」状態から抜け出し、

「お金に働いてもらう」仕組みづくりに踏み出したいと思います。

まずは、小さな副業からでも構いません。

読後に一歩を踏み出したくなる、そんな力を持った一冊です。


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