本記事で取り上げる書籍
『SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル』
著者:ジョン・ソンメズ(John Sonmez)
訳者:西村 直人
出版社:日経BP
出版年:2016年
ISBN:978-4822298757
導入:開発者として、人生を“設計”していますか?
ソフトウェアエンジニアという職業は、他の業種と比べて学習意欲が高く、日々のスキルアップも欠かさない人が多い──
にもかかわらず、なぜか**「人生設計」については曖昧なまま**になっているケースが少なくありません。
たとえば、次のような悩みは多くの開発者が抱えているのではないでしょうか。
- 技術は好きだけど、この働き方がいつまで通用するか不安
- 将来独立するか、会社員を続けるか、判断がつかない
- お金についての知識が乏しく、投資にも踏み出せない
- 人生の“最適化”が、業務ほど上手くいっていない
そんな問いに真正面から向き合い、エンジニアの人生そのものをアップデートするためのガイドブックが
本書『SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル』です。
実はこの本、私にとって**「資産運用を始めるきっかけ」となった書籍のひとつ**でもあります。
技術者としての自分だけでなく、「これからの生き方・働き方・稼ぎ方」を見つめ直す契機となりました。
要点まとめ:人生を“構築する開発者”に必要な7つの視点
1. キャリアは「設計」できるもの
仕事は“与えられるもの”ではなく、自ら選択していくもの。
ジョン・ソンメズは、受動的に職場や案件を選ぶのではなく、自らのキャリアを構築していく重要性を繰り返し説いています。
2. 専門家としての自分を「ブランディング」する
市場で評価される開発者は、必ず情報発信をしています。
ブログ、講演、執筆、SNSなどを通じて「自分の強みを伝える」ことの重要性が、実例と共に語られます。
3. 学び方をデザインする
インプットとアウトプットのバランス、復習のタイミング、学習ツールの選び方──。
ジョン氏は「学習もまたシステム化できる」として、明確なプロセス設計の手法を提示しています。
4. 健康とメンタルはパフォーマンスの土台
筋トレ、食事、睡眠、ストレス管理──。
どれも一見エンジニアに関係ないようで、実はすべて生産性に直結することを本書は教えてくれます。
5. お金に働いてもらう、という発想
このパートが、私の人生を変えました。
ジョン氏は技術者でありながら投資家でもあり、資産形成の重要性を強調します。
給与だけに頼るのではなく、収入源を分散し、時間とお金の主導権を自分に取り戻す──
この考え方に触れたことで、私は初めて資産運用という言葉に現実味を感じるようになったのです。
6. 副収入と複業のすすめ
ブログ、電子書籍、動画講座、不動産収入など、「自動化された収益源」の作り方についても語られます。
本書を読んで、私もまずはブログ運営から着手することにしました。
7. 習慣と時間管理が“継続性”をつくる
ポモドーロ、日記、タスク分解──。
小さな積み重ねが、大きな成果につながる。人生全体をプロジェクトとして見立てる視点が根底にあります。
印象に残ったポイント:職業ではなく「生き方」の本だった
私はSEとしてSES案件に常駐しながら、自らのスキルアップと並行して副業や資産形成にも関心を持ち始めていました。
ただ、何から始めればいいのか、正直わかりませんでした。
そんな中で本書に出会い、「技術力の先にある“人生設計”というテーマ」に強く惹かれました。
とくに心に残ったのは「自分の時間を誰が支配しているか?」という問いです。
これまでは、スキルを上げて高単価案件を狙うという発想しか持っていませんでしたが、
“お金に働いてもらう”という逆転の視点を得たことで、資産運用という選択肢が現実のものとして視界に入ってきました。
それ以来、投資信託やつみたてNISAをはじめ、情報発信やリスキリングにも力を入れるようになりました。
つまりこの本は、スキルアップだけでなく、マインドセットまで変えてくれる一冊だったのです。
誰におすすめか:スキルも、お金も、時間も整えたい人へ
- 技術以外の“人生の軸”がまだ定まっていない20〜30代の開発者
- 将来に漠然とした不安を抱えている中堅SE・フリーランス
- 副業や投資に関心はあるが、まだ行動に移せていない方
- キャリアと家計の両方を支えたい中高生の保護者
- エンジニアという仕事をもっと自由に、柔軟に続けたい人
中高生や未経験の保護者層にも理解しやすい平易な語り口で、専門的な知識がなくても読み進められます。
「将来のために、いま何をすればいいか」を考えるすべての人におすすめできます。
まとめ:技術を超えて、自分というプロジェクトを育てる本
『SOFT SKILLS』は、“技術を学ぶ本”ではなく、“技術者としての人生を構築するための本”です。
キャリア、お金、健康、発信、習慣──。
それらを統合的に設計し、行動し、結果を出すための「思考フレーム」が詰まっています。
この本に出会ってから、私は自分の人生を“コードのように構築可能なもの”と捉えるようになりました。
技術はあくまで一部。人生を構築するための素材にすぎません。
だからこそ、「自分というプロジェクト」にフレームワークを与えてくれるこの本は、一生使える人生設計書になると思います。