本記事で取り上げる書籍
本記事で取り上げる書籍は『インデックス投資は勝者のゲーム──株式市場から利益を得る常識的方法』です。
- 書名:インデックス投資は勝者のゲーム──株式市場から利益を得る常識的方法
- 著者:ジョン・C・ボーグル(John C. Bogle)
- 出版社:パンローリング
- 出版年:2018年
- ISBN:978‑4775972328
導入:なぜ“負けない”ことが投資の王道なのか
投資の世界では「市場平均を上回れ」と煽る情報が溢れています。しかし、実は市場平均そのものを低コストで丸ごと買い、長く保有するほうが圧倒的に勝率が高い──これが本書の核となるメッセージです。
著者ボーグルは、世界最大級のインデックスファンド会社バンガードを創設し、個人投資家に“常識的方法”を提示しました。本書は私自身が資産運用を始めるきっかけになった一冊であり、金融リテラシーのスキルアップを図る上でも欠かせない名著です。
要点まとめ:5つの“常識的方法”
- コストはリターンをむしばむ最大の敵 信託報酬や売買手数料がわずかでも複利で効いてくる。低コストこそ最大の防御。
- 市場平均を買い、売らずに保有する 予測より行動規律。「タイミング」より「時間」を味方に。
- 分散こそ究極のリスク管理 1本のインデックスファンドで数千銘柄へ同時投資。個別銘柄のリスクを大幅カット。
- 税制優遇口座と自動積立を組み合わせる NISAやiDeCoでのドルコスト平均法は“常識的方法”を加速させる。
- メディアの雑音に惑わされないマインドセット ニュースよりも自分の投資ルールを信じ、長期視点で“静かに”スキルアップを続ける。
印象に残ったポイント:投資家ではなく“長距離ランナー”になる
本書を読んで驚いたのは、「平均でいい」というメッセージの強さでした。SESとして働く私は、技術のスキルアップに集中するあまり、資産形成を“短期勝負”で考えがちでした。しかし、**インデックス投資は「時間を味方にするゲーム」**だと理解してからは、投資判断に迷いがなくなりました。
さらに、低コストETFを積み立てるシンプルな仕組みのおかげで、仕事・副業・学習により多くの時間を割けるようになり、“二重のスキルアップ”を実感しています。
誰におすすめか
- 投資は初めてだけど何から学べば良いか迷う社会人・学生
- 忙しくて個別株を分析する時間がないエンジニア・SE
- 家計を守りながら長期で資産を増やしたい保護者世代
- FIREや長期資産形成に興味がある20〜40代
- 投資の勉強を始めたばかりの中高生
まとめ:負けない戦略こそ最大の勝利
ボーグルは「インデックス投資家とは、マーケットの波をサーフィンするのではなく、泳ぎ切る長距離スイマーだ」と語ります。
コストを抑え、広く分散し、長く保有する──シンプルゆえに続けやすいこの戦略は、忙しい現代人のライフスタイルにぴったりです。
本書は、金融リテラシーと自己管理のスキルアップを同時に叶える“常識的”かつ最強の指南書として、長く手元に置いておきたい一冊です。