※この記事は『松本大の資本市場立国論―日本を復活させる2000兆円の使い方』(松本大 著)をもとに書かれています。
1. この本はこんな人におすすめ
「日本人は貯金が多いのに、なぜ経済が成長しないのか?」
「NISAやiDeCoを始めたけど、それが社会にどう繋がるのかよく分からない」
そんな“お金の活かし方”にモヤモヤを感じている人にこそ読んでほしいのが本書です。
著者はマネックス証券創業者であり、元ゴールドマン・サックスの日本代表。資本市場の第一線で活躍してきた著者が、個人と国家の金融のあり方を一体として考察する知的刺激に満ちた一冊です。
2. 要点まとめ:この本が教えてくれること
- 日本には2000兆円以上の金融資産が眠っている だがその多くが「死んだお金」として活用されていない。
- お金は“ためるもの”ではなく“回すもの”である 消費・投資・事業を通じて社会を動かす資源として活用されるべき。
- 資本市場を通じた「参加型経済」が必要 個人投資家が企業に資本を提供し、リスクとリターンを共有する時代。
- 官ではなく“民の力”を最大化する制度設計が求められる 貯蓄から投資への流れを制度と教育で後押しする必要がある。
- NISA・iDeCoはその“第一歩”でしかない 本質的には、金融リテラシーと資本主義への理解を深めることが鍵。
3. 印象に残ったポイント(筆者の視点)
エンジニアという“作る側”の立場で日々働いている私にとって、本書の「資本が社会をつくる」という言葉には強く心を動かされました。
技術は資本なしには生まれず、資本も技術に支えられて成長する。そうした“エコシステムとしての経済”に対する洞察が随所に見られ、単なる金融知識本ではない、社会哲学としての重厚さを感じました。
また、日本の課題を悲観せず、「変われる」ではなく「変わるべきだ」と提言する姿勢も本書の魅力のひとつです。
4. この本はこんな人に刺さる!
- 資産運用を通して社会貢献も意識したい個人投資家
- NISA・iDeCoを始めたが、その社会的意義に興味がある人
- マクロ経済や政策に関心のある学生・ビジネスパーソン
- 「お金と社会の接点」をもっと深く理解したい経済初心者
- 資本主義を学び直したい中堅エンジニア・経営者層
5. まとめ:「資本市場で日本を変える」という挑戦に参加する
『松本大の資本市場立国論』は、“お金はどう使われるべきか”という根本的な問いに真正面から向き合う数少ない一冊です。
投資とは単なる資産形成ではなく、未来を選び取る行動。
国家として、そして個人として、私たちはどのような経済に参加していくのか――。
そのヒントを、現場を知る著者の言葉から得られる知的興奮と責任感に満ちた内容です。