ブログ『スキルアップ専門学校』の看板にしている「読書×行動」を、ついに 自動化のレイヤーまで持ち込めるんじゃないか と思える本を書いています。タイトルは 『Claude Code で LLM Wiki を育てる——第二の脳の作り方』、Zenn Book で 2026 年 6 月末公開予定、500 円の Freemium 構成(前半 3 章は無料)です。
執筆と推敲は一通り終わり、いまは実機検証と補足記事(この記事もその 1 本目)を並走させながら、正式公開に向けて準備しているところです。
参考 Claude Code で LLM Wiki を育てる——第二の脳の作り方Zenn
書籍ページの方では現状メタ情報のみ公開していて、各章の本文はまだ並んでいません。気になる方は 事前にブックマークだけしておいてもらえると嬉しい です。以下、何を書いている本なのか、なぜ書いているのか、誰に届けたいのかをまとめます。
Karpathy が 2026 年 4 月に投げた「LLM Wiki」という石
きっかけは 2026 年 4 月 4 日、Andrej Karpathy 氏(OpenAI 創立メンバー・元 Tesla AI 部門ディレクター)が公開した GitHub Gist 1 枚でした。ファイル名は llm-wiki.md、ただのメモです。Karpathy 自身が idea file と呼ぶ形式——実装コードではなく、考え方だけを書いた Markdown 1 枚を、読み手の LLM エージェントに渡して各自の環境で実装してもらう、という前提の文書です。
主張を雑に要約するとこうなります。
知識を、質問のたびにゼロから検索し直すのをやめよう。LLM が読んで、書いて、育てる「Wiki」に一度コンパイルして、以降はそれを参照すれば、学びは複利で積み上がる。
これ、地味に強い提案です。RAG(Retrieval-Augmented Generation)は質問が来るたびに関連文書を検索しますが、回答は毎回その場限り で消えます。同じことを来月聞いたら、また同じ検索からやり直し。学びは積み上がりません。
LLM Wiki のアプローチは逆で、素材を読んだタイミングで構造化済みのページにしておき、質問が来たらその Wiki を引く。前払いするか後払いするかの違いですが、情報の積み上がり方が根本から変わります。エンジニア用語で言えば「実行時計算を事前計算に寄せる」「キャッシュを永続化する」、それだけです。
私が反応したのはこの 「複利」 の一点でした。氷河期世代で独学からエンジニアになり、以降ずっとリスキリングを繰り返してきた人間として、このブログでも一貫して「読書×行動でスキルアップ」と言ってきた。学んだものを読むだけで終わらせず、積み上げて次に繋げる——LLM Wiki が提案している構造は、この「積み上げ」をついに個人の情報収集レベルで実装可能にしたように見えました。
自分で 1 週間動かしてみたらこうなった
Gist を読んで「面白いな」で終わらせず、Claude Code を使って実装し、1 週間ほど動かしてきました。現在の状態はこんな感じです。
- 毎朝 7:00 に Mac mini の cron が起動、10 フィード・3 ジャンルから RSS を取得して
raw/articles/に自動保存 - 毎朝 7:30 にデイリーダイジェストが自動生成、当日の新着トップ 5 とブログネタ候補 3 件が
outputs/に書き出される - 毎週日曜 6:00 にウィークリーレポートが自動生成、ジャンル別トップ・新規 Wiki ページ・壊れたリンクが一枚にまとまる
- 気になる記事を Claude Code に
compileと頼むと、1 本の記事から 10〜15 の Wiki ページが連動して更新される - MacBook・Mac mini・iPad で同じ Wiki が共有され、ソファで iPad を開けば昨夜追加された整理を読める
数字で言うと、100 本超の記事 から 74 ページの概念ネットワーク まで育っています。最初の 17 本を compile した夜に 46 ページが一気に生成され、そこから記事を足しながら育ててきた結果です。

仕組みとして使っているのは、特殊なサービスでも最新 SDK でもありません。Claude Code、Python(feedparser・markdownify)、cron、Obsidian、iCloud Drive——全部 2026 年以前から存在する枯れた部品ばかりで、月額数千円以下、または無料枠で回せる範囲に収まります。
派手な技術スタックではなく、ありもので組む というのが本書のスタンスです。
本書の中身——9 章 / Freemium 構成
全 9 章、3 ブロック構成です。
ブロック A: 概念と設計(無料)
第1章 LLM Wiki とは何か——RAG の次に来たパラダイム
第2章 全体像——3 層アーキテクチャと 3 つの操作
第3章 環境構築——Claude Code × Obsidian × iCloud
ブロック B: 実装本編(有料)
第4章 interest_profile を書く
第5章 RSS 自動収集スクリプト
第6章 Mac mini cron
第7章 デイリーダイジェスト
第8章 ウィークリーレポート + lint
ブロック C: 運用(有料)
第9章 運用編——iOS 連携・トラブルシュート・拡張アイデアブロック A(1〜3 章)は無料 にしました。LLM Wiki の思想・アーキテクチャ・環境構築まで読めば、自分がこの仕組みを本当に欲しいか判断できる はずだからです。「面白そうだけど自分の運用には合わなさそう」と思ったら無料で離脱できる構造にしてあります。
実装に踏み込む段階で有料パートを買うかどうかを決めてもらえれば、書き手としては十分に納得感のある取引かなと思っています。
こんな人に届くと嬉しい
第一ターゲットは Claude Code に触れ始めた、あるいはこれから本格的に使いたい中級エンジニア です。具体的には:
- Web エンジニア・SE として 3〜8 年目くらい
- macOS・zsh・VS Code・Git は日常の道具
- Python は書ける、スクリプト化に抵抗がない
- Claude Code は触ったことはある。業務にどう組み込むかで悩んでいる
- 「LLM で何か実用的な自動化を組みたい」という技術的好奇心がある
逆に、Claude Code の基本操作から知りたい初学者には少し厳しい本です(公式ドキュメントの方が親切)。チームでのナレッジマネジメント検討にも向きません(あくまで個人用の設計)。
ただ、第 5 章・第 7 章・第 8 章の実装そのものは汎用的 なので、切り出して使ってもらう分には全く問題ないです。「RSS 集めて毎朝レポート出すスクリプトだけ拝借する」という読み方も大歓迎です。
公開予定と価格
- 公開予定: 2026 年 6 月 28 日(日)頃(全 9 章一括公開)
- 価格: 500 円(ブロック A の 1〜3 章は無料)
- 形式: Zenn Book
公開時点で「事前にブックマークしてくれていた人がいる」状態に持っていきたい、というのが正直な気持ちです。書籍ページの方は現状メタ情報のみですが、進捗があり次第、このブログで告知していきます。
set-ten.com 読者へ——「読書×行動」の技術的実装版
このブログを以前から読んでくれている方には、本書の位置付けを「いつもの『読書×行動』を、技術で自動化したらこうなった」と捉えてもらえると、たぶん一番しっくりきます。
「読書」は RSS 自動収集と Wiki への compile に置き換わり、「行動」は毎朝のダイジェスト+ブログネタ候補を起点にした執筆・実装に置き換わる。スキルアップのループそのものを仕組み化する、というのが本書の隠れたメッセージです。
ループが回り始めると、「今日は何を書こう」と悩む時間が 構造的に消える——これが、1 週間動かしてみて一番効いた変化でした。
書籍が出たら改めて告知します。それまでに補足記事を 4 本ほど予定していて、第 5 章(RSS 収集)の実装小ネタや、Mac mini で cron を回すときのハマりどころ、公開直前のプレビューといったあたりを、このブログ側で順次出していくつもりです。
おまけ
class LLMWiki:
def __init__(self):
self.raw_articles = 0
self.wiki_pages = 0
self.interest_profile = "未記入"
self.compound_factor = 1.0
self.dream = "blog_idea_runs_out_of_stock" # ブログネタ切れからの卒業
def write_interest_profile(self):
self.interest_profile = "AI / 副業 / 技術書 / Star Trek"
print("自分の興味を Markdown 1 枚に言語化。")
def ingest_rss(self, feeds=10):
# 毎朝 7:00、Mac mini cron 起動
self.raw_articles += feeds * 10
print(f"RSS から {self.raw_articles} 本を raw/ に保存。")
def compile_with_claude_code(self):
# raw/ を Claude Code が読み、wiki ページに構造化
new_pages = self.raw_articles * 4 // 10
self.wiki_pages += new_pages
self.compound_factor *= 1.05
print(f"wiki/ に {self.wiki_pages} ページ。読むたび複利で育つ。")
def generate_daily_digest(self):
# 毎朝 7:30、outputs/ にブログネタが自動で出る
if self.wiki_pages > 0:
print("今日のブログネタ候補 3 件が outputs/ に書き出されました。")
self.dream = "achieved"
def write_zenn_book(self):
if self.dream == "achieved":
print("Zenn Book『Claude Code で LLM Wiki を育てる』執筆中 → 2026-06-28 頃公開。")
print("価格: 500円 / Freemium (前半 3 章は無料)。")
try:
wiki = LLMWiki()
wiki.write_interest_profile()
wiki.ingest_rss()
wiki.compile_with_claude_code()
wiki.generate_daily_digest()
wiki.write_zenn_book()
except Exception as e:
print("RAG で同じ質問を繰り返している場合は、Wiki にコンパイルしてください。")
finally:
print("🖖 Live long and learn.")wiki.compile_with_claude_code() のループが回り始めると、ブログネタ切れに悩む時間が 構造的に消えて いきます。本書はこのループを 1 週間で組み上げるための手順書です。
この本について
- 書籍ページ: Zenn Book
- 公開予定: 2026 年 6 月 28 日(日)頃
- 価格: 500 円(前半 3 章は無料)
- 著者: みすたすこっぷ
